鳥と暮らす

アキクサインコやオカメインコを飼っています。
良くも悪くも飼い方の参考になり、より多くの鳥たちが元気に暮らせれば幸い。

中沢新一「鳥の仏教」

「鳥の仏教」は古書店で偶然見つけた文庫本です。


内容はチベット仏教の経典「鳥のダルマのすばらしい花環」の日本語訳と解説からなっています。


仏教の経典と言っても、チベットの一般人向けに分かりやすい物語風に書かれており、小説の一種のようなものになっています。
あらゆる生き物に慈悲深い観音菩薩さまがカッコウに姿を変えて、インドやチベットの鳥たち(オウム、ハゲワシ、鶴、カラス、セキレイ、鳩、フクロウ、鶏…)に仏陀の教えを伝えます。
ダルマや輪廻、三宝といった難しい専門用語は少々出てくるものの、心ある生き物はどんな行いをすべきか平易な言葉で書こうとしています。


鳥たちの挿絵が美しい!


私の両親の家系はお寺さんに代々の墓を建てており法事は仏式と決まっていますから自分は仏教徒だと一応思っています。けれども経典など読んだことも僧侶の説法を聞いたこともありません。せいぜい高校の倫理の授業や宮澤賢治の童話を通じて仏教の一部を垣間見ている程度でした。
一方でキリスト教には密に触れる機会がありました。小学生の頃、アメリカ人の留学生に英会話を習っていたとき、留学生の下宿先のシスターから聖書のお話を聴いたり子供達皆で賛美歌を歌ったりもしたのです。
数年前にネパールを旅行し、露天で仏具のマニ車を買い求めた時のこと。どこから来たのか店主のおばさんに聞かれて日本から来たと言うと「日本人なら同じ仏教徒(buddhist)だね?」と尋ねられました。「そう、私も仏教徒です。」と英語で会話したのですが、いささか恥ずかしい気持ちになりました。私は仏教の何がわかっていたでしょうか。。。日本ではお墓参りやお葬式などでお寺に行っていても、お経の内容はわかっていないし、ブッダが生まれたネパールには墓を作る習慣さえありませんしね。


ブッダはこう言われた。
神々と龍と精霊と
魔物と人間の言葉を使い
すべての種類の生き物が
理解のできるあらゆる音を用い
言葉という言葉を駆使して
私はダルマを説いた。


え〜 すごい!
仏教は人間のためでなく、生き物すべてのためのもの!!

鳥の仏教 (新潮文庫)
鳥の仏教 (新潮文庫)
新潮社
2011-06-26
鳥葬の国―秘境ヒマラヤ探検記 (講談社学術文庫)
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講談社
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