鳥と暮らす

アキクサインコやオカメインコを飼っています。
良くも悪くも飼い方の参考になり、より多くの鳥たちが元気に暮らせれば幸い。

金子みすゞ「私と小鳥と鈴と」ほか


私と小鳥と鈴と
 私が両手を広げても、
 お空はちっとも飛べないが、
 飛べる小鳥は私のように、
 地面(じべた)を速くは走れない。 


 私が体をゆすっても、
 きれいな音は出ないけど、
 あの鳴る鈴は私のように、
 たくさんな唄は知らないよ。


 鈴と、小鳥と、それから私、
 みんなちがって、みんないい。



私と小鳥と鈴と (金子みすゞ)【日本の詩 朗読シリーズ】



海とかもめ 
 海は青いとおもってた、
 かもめは白いと思ってた。


 だのに、今見る、この海も、
 かもめのはねも、ねずみ色。


 みな知ってるとおもってた、
 だけどもそれはうそでした。


 空は青いと知ってます、
 雪は白いと知ってます。


 みんな見てます、知ってます、
 けれどもそれもうそかしら。


八百屋のお鳩
 親鳩、子鳩
 お鳩が三羽
 八百屋の軒で
 クックと啼(な)いた。


 茄子はむらさき
 キャベツはみどり
 いちごの赤も
 つやつや濡れて。


 なァにを買おぞ
 しィろい鳩は
 知らぬかおして
 クックと啼いた。


誰がほんとを
誰がほんとをいうでしょう、
私のことを、わたしに。
 よその小母さんはほめたけど、
 なんだかすこうし笑ってた。


誰がほんとをいうでしょう、
花にきいたら首ふった。
 それもそのはず、花たちは、
 みんな、あんなにきれいだもの。


誰がほんとをいうのでしょう、
小鳥にきいたら逃げちゃった。
 きっといけないことなのよ、
 だから、言わずに飛んだのよ。


誰がほんとをいうのでしょう、
かあさんにきくのは、おかしいし、
  (私は、かわいい、いい子なの、
  それとも、おかしなおかおなの。)


誰がほんとをいうでしょう、
わたしのことをわたしに。


金子みすゞ童謡集 (ハルキ文庫)
金子みすゞ童謡集 (ハルキ文庫)
角川春樹事務所
【新装版】金子みすゞ童謡集 (ハルキ文庫)
【新装版】金子みすゞ童謡集 (ハルキ文庫)
角川春樹事務所
×

非ログインユーザーとして返信する